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LADY TOKYO は毎月第一水曜 日本経済新聞 読者にお届け
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● VOL.15 ● ねぎじゃこ 普段は脇役のネギ、ちりめんじゃこ、白ごま。調味料は酢、醤油のみ。今回ご紹介するのは、おばあちゃんに教えてもらった料理です。結婚したばかりで自分が作る料理に飽き飽きしていた頃、こんなシンプルな材料でおいしい料理ができるんだと感動しました。これを食べると体の中からきれいになる気がします。万能ネギの疲労回復、血行を良くして体を温める、脳を活性化するなどの効果が影響しているようです。ご飯のお供に、またカレーに添えると雰囲気が変わって楽しいです。料理教室でも大人気の一品。ぜひ作ってみてください。 【材料】万能ねぎ................................. 1袋ちりめんじゃこ..................... 大さじ4白ごま................................... 大さじ1酢.......................................... 大さじ1醤油...................................... 小さじ1 ■ 作り方 ■ 1. 万能ねぎをみじん切りにする。 2. ちりめんじゃこ、白ごまをフライパンで乾煎りし、水分をとばしておく。 3. 冷まして粗熱を取る。 4. ねぎと合わせ、酢・醤油で味付けする 5. ご飯に、納豆に、そのまま食べても。カレーの付け合わせにすると、味が変化して楽しいです。 <<< ● VOL.14 ● 豆腐の照り焼き ■■ P R O F I L E ■■ 自宅料理教室「チアフルキッチン」主宰にんべん だしアンバサダー柏木京子(かしわぎ きょうこ) 出産時に生死の境をさまよった経験から「食の大切さ」を実感、自宅などで料理教室を始める。夫がアメリカ西海岸に転勤になった2011年からSkypeによるオンライン料理教室を開始。帰国後は「いまさら聞けない料理の基礎」など主婦の悩みに応えるテーマのレッスンを次々企画、人気を博す。オンライン教室はのべ1,000人以上が参加。自宅での料理教室もリピーターが多い。 更新日:2021年3月3日(水)

● VOL.14 ● 豆腐の照り焼き ここのところの自粛生活で1日3食ご飯を作っている方が多くなってきています。毎日が自分の作る料理。もう飽きてしまったーとという方も多いのではないでしょうか。そこで今日は、いつでもどこでも手にはいる豆腐を使った料理をご紹介します。ひと手間加えると、いつもの豆腐がとびきりおいしくなります。豆腐は絹ごし、木綿、どちらでも大丈夫。絹ごしはプルプルに、木綿はしっかりした仕上がりになります。外は甘辛、中は豆腐の美味しさをぜひ味わってくださいね。 【材料】(2人〜4人分)豆腐.......................................1丁(木綿、絹、どちらでも)片栗粉.................................... 大さじ2くらい舞茸.......................................1パック ごま油.................................... 大さじ1〜2 ☆醤油.................................... 大さじ1.5 ☆みりん................................. 大さじ3 細ねぎ....................................3本分(細かく刻む) ■ 作り方 ■ 1. 豆腐はキッチンペーパーに包んで、5分くらい置き、水分をきる。 2. 舞茸は小房に分ける。醤油とみりんを合わせておく。 3. 水気を切った豆腐を8〜10等分にし、全面に片栗粉をつける。4. フライパンにごま油をしき、豆腐の全面をこんがり焼く。豆腐を端に寄せ、舞茸を炒める。 5. 醤油とみりんを合わせたものを加え、時々返しながら、絡めるように火にかける。火が強すぎるとすぐに焦げてしまうので、気をつけて。 6. 皿にもりつけ、青ネギをのせる。 <<< ● VOL.13 ● 本格出汁でいただく鯛茶漬け ■■ P R O F I L E ■■ 自宅料理教室「チアフルキッチン」主宰にんべん だしアンバサダー柏木京子(かしわぎ きょうこ) 出産時に生死の境をさまよった経験から「食の大切さ」を実感、自宅などで料理教室を始める。夫がアメリカ西海岸に転勤になった2011年からSkypeによるオンライン料理教室を開始。帰国後は「いまさら聞けない料理の基礎」など主婦の悩みに応えるテーマのレッスンを次々企画、人気を博す。オンライン教室はのべ1,000人以上が参加。自宅での料理教室もリピーターが多い。 更新日:2021年2月3日(水)

寒い中にも春の兆しが感じられる季節になりました。不思議なもので、立春を過ぎると途端に空気が春めいてきます。近所を散歩すると、どこからともなく梅の香りがしてきます。よく見るとサクラの枝先には花芽がたくさん付いていて、少しずつ開花に向けて準備していることがわかります。待ち遠しい春はもうすぐそこまで来ているのですね。 さて、趣味的要素の強い紬。どんなに高価でもフォーマルな場には着ていけない、いわば贅沢な普段着。そこが通好みのするところもあります。そんな紬から、今回は春に着たい黄八丈と久米島紬を取り上げました。 ■■ 第4回 本場黄八丈と久米島紬 ■■ ■■ 本場黄八丈 黄八丈は、八丈島に伝わる草木染めの絹織物で、島に自生する植物の煮汁で黄色・樺色・黒の3色に染められた糸で織り上げます。黄色は八丈刈安(コブナ草)、樺色はマダミ(タブの木)、黒色は椎の木の樹皮と泥浸けで染められます。媒染は榊・椿の灰汁など、アルミナ焙煎によって鮮やかな発色と独特の光沢が生まれ、孫の代まで色褪せないといわれます。 江戸時代には年貢として幕府に納められていた黄八丈。江戸後期に「恋娘昔八丈」という人形浄瑠璃で黄八丈の衣装が採用され、後に歌舞伎でも上演されたことから爆発的な人気を誇ったといわれています。現在では経済産業省伝統的工芸品として、また東京都産業労働局東京の伝統工芸品として「本場黄八丈」が指定を受けています。 縞模様や格子柄の黄八丈は、気軽な街着というイメージ。きものに不慣れな人でも縞や格子なら抵抗がないかもしれませんね。画像は春を感じさせる若草色の帯揚げに、道明のグリーン系の爽やかな帯締めを合わせ、遊びでヴィンテージのセルロイドのブローチを帯留めに。こんな楽しいコーディネートでお出かけしたら、気持ちがぐっと上がりますね。 ■■ 久米島紬 こちらは久米島絣です。久米島というと泥染めが有名で人気もありますが、黒地のきものはかなり個性的なのでこのくらいの色の方が着やすいかもしれません。ここでは琉球柄の帯を合わせて個性を強調しました。久米島紬は15世紀に中国から養蚕が伝わり、久米島を起点に沖縄本島、奄美大島を経て本土に伝えられたとされます。大島紬、久留米絣、結城紬などの日本の紬の発祥の地ともいわれます。蚕から取った真綿で紡いだ糸を原料に、天然の草木や泥染めによって染色し、高機で織っていきます。全ての工程を1人の織子が行うのが特徴。江戸時代には貢納布として米に変わって納められていたため、15歳から45歳までの島の女性は「布屋」と呼ばれる集落毎の工房で「御絵図(みえず)」という王府の絵師が描いたデザイン見本の通りに正確に織り上げることが求められました。現在、貴重な久米島紬は国の重要文化財に指定されています。 こちらは泥染めの久米島紬です。いわゆる琉球柄ではなく細かい織り模様が男性的なので、アフリカの木綿の絞りの帯と合わせて個性的な着こなしに。帯揚げはアフリカの大地の色、バッグも中央アフリカのクバ族の布で作ったもの。こんな遊びができるのは紬ならではの楽しさです。 《 今月のワンポイント:たとう紙 》 きものや帯は、「たとう紙」に包んでしまいますが、紐を結んでしまうと中に何が入っているのかわからなくなりますね。そこでおすすめしたいのが、中に入っているきものや帯の写真をこのように貼っておくこと。これなら一目瞭然で中身がわかるので、きものを着る度に色々開けてみる必要がありません。ちょっとしたことですが、これだけでストレスなくきものを着ることができます。 更新日:2021年2月3日(水)

● VOL.13 ● 本格出汁でいただく鯛茶漬け 忙しくて料理する時間がない。作るのがめんどう。食べることが大事だとわかっているけど、うまくいかない。そんな時にお勧めなのがお出汁です。お出汁があれば、どんなに忙しくても安心。パッと美味しいご飯が作れます。今回は思い立ったらすぐに作れる、昆布とかつお節の合わせ出汁をご紹介します。昆布にはグルタミン酸、かつお節にはイノシン酸という旨味成分があり、旨味の相乗効果で何とも言えないまろやかな味になります。栄養満点、香りもとてもいいです。おいしいお出汁で作る鯛のお茶漬け、絶品です! ぜひ作ってみてください。 【材料】(1人分)昆布とかつお節の一番出汁...... 200ml 鯛の刺身.............................. 50gくらい 醤油.............................. 小さじ2 みりん.............................. 小さじ1.5(煮切る) 白ごま.............................. 大さじ1 あられ.............................. 少々 三つ葉.............................. 1株ゆず.............................. 少々 わさび.............................. お好みで【出汁用】 ☆水 ...........................1000ml ☆かつお節.................... 20g ☆昆布...........................10g ■ 作り方 ■ 1. 出汁をひく。鍋に水、昆布、かつお節を入れ、中火にかける。湧いてきたら表面のアクを取り除き、極々弱火にして10分待つ。この時かき混ぜないようにする。 2. ざるに上げてこす。これで約800ml(4人分)の出汁ができる。 3. みりんを電子レンジで加熱し、アルコール分をとばす(煮切る)。ごまをすり鉢で半摺りにし、醤油、煮切りみりんを加えて混ぜ、鯛の刺身を2〜3分漬ける。 4. 出汁を小鍋で温める。 5. 温かいご飯に、鯛、 三つ葉、ゆずの皮をのせる。 6. 出汁をそっとかける。お好みであられ、わさびを添えていただく。 <<< ● VOL.12 ● 鱈とじゃがいものスープ ■■ P R O F I L E ■■ 自宅料理教室「チアフルキッチン」主宰にんべん だしアンバサダー柏木京子(かしわぎ きょうこ) 出産時に生死の境をさまよった経験から「食の大切さ」を実感、自宅などで料理教室を始める。夫がアメリカ西海岸に転勤になった2011年からSkypeによるオンライン料理教室を開始。帰国後は「いまさら聞けない料理の基礎」など主婦の悩みに応えるテーマのレッスンを次々企画、人気を博す。オンライン教室はのべ1,000人以上が参加。自宅での料理教室もリピーターが多い。 更新日:2021年1月6日(水)

■■ 第2回 西陣織(京都) ■■ きものを着なくても、西陣織の名を知らない人はいないと思います。西陣織とは、「多品種少量生産が特徴の京都(西陣)で生産される先染の紋織物」の総称。「染めのきものに織りの帯」といわれますが、染めの着物の代表格が友禅染、織りの帯の代表格が西陣織で、最も品格の高い帯とされます。昔から「帯は西陣」といわれる所以です。 ■■ 西陣織の起源は古墳時代 西陣織の歴史は古く、5世紀〜6世紀ごろ、大陸からの渡来人である秦氏の一族が、今の京都・太秦あたりに住み着いて養蚕と絹織物を伝えたのがはじまりとされます。平安遷都後、朝廷は織部司(おりべのつかさ)という織物業の役所をつくり、絹織物の技術を受け継ぐ工人(たくみ)によって綾・錦など高級織物の生産をはじめました。「西陣織」と呼ばれるようになったのは室町時代の応仁の乱の後。戦禍を逃れていた職人たちが戻り、織物業を再開した土地が西軍の本陣(西陣)だったことから「西陣織」という名が生まれました。その後も中国の明から技術を取り入れ、幕府の保護のもと、高級織物の産地としてさらに発展を遂げたのです。 ■■ 西陣織の種類は多種多様 「西陣に織れないものはない」といわれるほど多彩な西陣織。何色もの色糸を使って美しい織文様をつくりだす錦(にしき)、とりどりの色糸を使い、刺繍のように縫い取りで柄を降りだす唐織(からおり)、緯糸(よこいと)だけで文様を表現する綴(つづれ)のほか、箔(つかい)、紹把(しょうは)、すくい、紬(つむぎ)、絽(ろ)、紗(しゃ)、羅(ら)、刺練、染と、実にさまざまな染織の技法が用いられています。伝統的な文様から、現代的で斬新な図柄に挑戦する機屋さんまで実にさまざまです。 ■■ 伝統と革新が生み出す魅惑の帯 西陣の帯の製造は、一般的に図案デザインから紋図、特殊な糸の製造や加工、紋紙掘り、引箔、染色、手織りまでが分業化されています。一流の職人の手による技術力と、京都という土地柄が生み出す華やかで雅な帯は美しく、きものを着る女性たちを魅了しますが、機屋さんの中には若いデザイナーのポップな図柄を帯に仕上げ海外で発表する個性的な店もあり、西陣織の可能性を広げています。 <<< 第1回 有松絞り(名古屋) 《 今月のワンポイント:帯留め 》 きもののお洒落は帯周りで決まります。お茶会やフォーマルな席に行く場合は別として、観劇やお食事に行く時なら、帯留めや帯飾りで大いに遊ぶのが楽しいと思います。写真はいずれもアンティークの帯留め。フルーツの帯留めはセルロイドで、元はブローチだったもの。元々ブローチと共用できるものも多いですね。帯留めは「大胆過ぎるかな」と思うくらいのものの方がお洒落。自分の個性を思い切り主張してみてくださいね。 更新日:2020年12月17日(木)

● VOL.12 ● 鱈とじゃがいものスープ 12月になり、ぐっと冬らしくなってきました。今回は寒い冬に食べたい、鱈とじゃがいものスープです。最近は一年中見かける鱈ですが、これからがおいしい季節。冬から春の産卵に向けて脂がのり、栄養価も高くなります。甘味のあるじゃがいもキタアカリとことこと煮込む。鱈のふわっとした食感、じゃがいものほくほく感の組み合わせが楽しいスープです。小さく切って炒めたベーコンやピンクペッパーをトッピングに。パセリなどグリーンを添えれば、クリスマスにもおすすめです。 【材料】(2人分)白身魚(たら)..................... 2切れ玉ねぎ.....................1/2個 (みじん切り) セロリ.....................1本(みじん切り) にんにく..................(みじん切り) じゃがいも.................. 2個(500gくらい、1.5cm角) 出汁もしくはチキンスープ......... 500ml塩.......................................... 小さじ1/2 コショウ................................. 少々 オリーブオイル..................... 大さじ1 ローリエ..............................1枚 ■ 作り方 ■ 1. 白身魚(たら)を3つくらいに切り、皮を取り除く。塩(分量外)を軽くふって30分くらい置く。 2. 水分が出てきたらペーパーで拭き取る。 3. みじん切りにした玉ねぎ、セロリ、にんにくに塩ひとつまみ加え、オリーブオイルで炒める。しんなりしたら、じゃがいも、たらの順にのせ、出汁を50〜100ml加え、蓋をして中火にかける。沸騰したら火を弱め、約5分煮る。 4. じゃがいもが柔らかくなったら、残りの出汁、ローリエ、塩を加えて、さらに5分煮込む。 5. じゃがいもをお玉で軽くつぶしながら全体を混ぜる。味見をし、塩、こしょうで味を整える。 6. 器に盛りつけ、グリーンをあしらう。お好みで、炒めたみじん切りのベーコン、ピンクペッパーなどをのせていただく。牛乳や生クリームを少し加えると、さらにまろやかになります。 <<< ● VOL.11 ● 鶏団子と大根のお味噌汁 ■■ P R O F I L E ■■ 自宅料理教室「チアフルキッチン」主宰にんべん だしアンバサダー柏木京子(かしわぎ きょうこ) 出産時に生死の境をさまよった経験から「食の大切さ」を実感、自宅などで料理教室を始める。夫がアメリカ西海岸に転勤になった2011年からSkypeによるオンライン料理教室を開始。帰国後は「いまさら聞けない料理の基礎」など主婦の悩みに応えるテーマのレッスンを次々企画、人気を博す。オンライン教室はのべ1,000人以上が参加。自宅での料理教室もリピーターが多い。 更新日:2020年12月2日(水)

*** VOL.12(最終回) *** 2020年12月。 師走に入り、クリスマスのアドベントや年末年始の準備を始められた方も多いのではないでしょか? 慌ただしい1ヶ月になりますが、そんな時こそ心落ち着せ深呼吸をしながら過ごしていきましょう! 今月も「成瀬ヒロのおしゃれのススメ」スタートです!! 先月末、日立にある料亭「三春」に1年ぶりに伺ってきました。日立駅すぐそばの料亭で、高度成長期をきっかけに大変栄え、今年で創業70周年を迎えた皆さんの憧れのお店です。どのお部屋からもオーシャンビューの波の音が聞こえます。今は女将が3代目になり、お料理はそのままに、数年前にカフェをスタート。私が今のお仕事になってからずっと応援してくださっています。大好きな女将と笹巻きを目当てにプライベートでも伺いたい場所。ここでの展示会はもう十数回目になります。(三春名物「笹巻きごはん」ランチは前日までのご予約ですが発送もしていますので、お歳暮、おうち時間にもオススメです)。美味しいものは人を幸せにしてくれますね。お洒落と一緒です♪ いつもはコサージュの付け方に始まり、お洒落にかぶる帽子の被り方、選び方。年末年始のご挨拶に褒められるファッション。クローゼットに眠っている小物を蘇らせる方法などなどをお客様に講座や個別でお伝えしてきましたが、今回は「おうち時間のおしゃれで免疫力を上げる方法」をお越しいただいたお客様に伝授させていただきました!! 一部になりますが、例えば、1. おうち時間でも気持ちのスイッチを入れるために メイクをする。2.おうち時間でもお気に入りのアクセサリーなどの小物など身に着ける。(エプロンにブローチもおすすめです) 3.お家だけで過ごしてニュースを見ていると 気持ちが自然に落ち込むことがあると思いますがテーブルコーデや自分の着る服なども明るいものを身に着ける。(以前からお話している色の力ですよ!) 4.マスク生活をしていると、どうしても口元の表情がわかりづらくなるので、そんなシーンの時にはお顔まわりが明るく見えるストール、マフラー、またはマスク自体を自分の好きなデザインや色にする。こんなことに気をつけると自分のご機嫌を自分で取れて、今までのように買い物に行ったり家族で旅行に行ったりしなくても、ニューノーマルでもいつもご機嫌でいられます。 ライフスタイルでいうと、北欧の冬の過ごし方のイメージでしょうか。長くて日照時間が短くなる冬の時間をいかに楽しむか。おうち時間でゆったり、そして自分スタイルを大切にしながら 楽しく過ごす時間。何事もちょっとした事で目線や気持ちが変わります。おしゃれも同じ!自分自身のご機嫌になるためのエッセンスです。私が1年を通してお伝えしたかったことは、お洒落な人になって欲しいのではなく、自分流のお洒落を楽しんでいただくこと。私自身は、ニューノーマルになってからは、本物は決して色あせることなく常に新しく、唯一無二の存在だと改めて思いました。 今はたくさんの物と情報があふれています。おしゃれで免疫力を上げて心を整えながら、良いものをいっぱい引き寄せてくださいね。そしてぜひぜひ、貴方だけのちょっとしたお洒落を楽しんでください。こんな時だからこそ、おしゃれの楽しさや大切さなどもお伝えでき、実感していただけたこともあったのではないかなと思っております。(本当はバカンスで楽しむお洒落やランチ会などで浮かずにさりげなく上品なお洒落など、書きたいことは沢山ありました...) 「成瀬ヒロのおしゃれのススメ」は今回で最終回となります。まさか、まさかの2020年の1年間を担当させていただき、本当にいろいろなことがありましたが、今はよき思い出です。心残りは自粛で、レディ東京主催のイベントで皆さんに直接お会いできなかったこと。それだけが残念でなりませんが、きっと別の機会にお会いできることを信じて。おしゃれはハードルが高いものではなく、自分の気持ち次第の身近なものです。2021年からは「おしゃれで免疫力アップ」ですよ。1年間お付き合いいただきまして本当にありがとうございました。ご縁に心から感謝。2021年も、皆様にとって心健やかに素敵な年になりますように。 ★成瀬ヒロのインスタグラムはこちらを検索→ hironaruse.corsage <<< 成瀬ヒロのおしゃれのススメ vol.11 ■■ P R O F I L E ■■ ファッションキュレーター・日本で唯一コサージュスタイリングの専門家成瀬 ヒロ(なるせ ひろ) フラワーアレンジメントの技術を応用し、「身に着ける人の魅力を引き出す魔法のアイテム」をコンセプトに、2012年、自身のブランド「SPICE 」を立ち上げる。他にはないシックでビターなデザインと色合わせ、さらに型崩れしにくい実用性の高さが感性の鋭い女性たちの目に留まり人気に。現在はファッションスタイリングセミナーを開催、俳優とのコラボブランドやアーテイストの舞台衣装をプロデュース等、活躍の幅を拡げている。 更新日:2020年12月2日(水)

●はじめに● 昭和40年代までは、入学式や卒業式で見かけるお母さんたちの半数ほどは「きもの」でした。日常的にきものを目にした時代。今と何が違うのか考えてみると、きものに限らず、昔の方が服装のTPOが明確だったのですね。今はどんな場所にもカジュアルな服装で行く人が多いですが、当時は普段着とお出かけ着がきっちり分かれていて、「場」によって服装を変えるのが当たり前でした。それは、行く場所や会う相手に対する敬意を服装で表すという、大人の嗜みを誰もが持っていたからでした。 今、時流は「和」。日本文化を見直す様々な動きがある中、「きものを着てみたい」という人が増えています。日本全国には伝統的な美しい染織があり、手間隙かけた手仕事によって支えられています。どんな所でどんな風にきものが作られているかを知ることで、きものへの愛着が湧き、着てみたいという思いが深まるかもしれません。このコラムでは毎月産地を1つ選び、<日本の染織・きもの>の魅力をご紹介していきます。憧れのきものを、まずは知ることから始めてみてはいかがでしょうか。 ■■ 第1回 有松絞り(名古屋) ■■ ■■ 有松絞りの歴史 名古屋から名鉄名古屋本線で有松駅まで約20分。有松は、江戸幕府の東海道整備に伴い尾張藩が慶長13年(1608年)に出した入植者募集のお触書きによって、阿久比から庄九郎はじめ8名が入植して誕生しました。名古屋城築城の折に豊後(大分)の方より絞り染を習い、その後この地域で工夫をし、今日につながる有松・鳴海絞りが生まれます。絞り染めは東海道の旅人の土産物としてもてはやされ有松は繁栄を誇りました。その様子は、北斎や広重の浮世絵に描かれています。 100種類以上もある絞りの技術が様々な柄を創りだします ■■ 高級品の代名詞「絞り」 布に施す最も古い染色技法の1つといわれる「絞り」は、世界中に3000年以上も途絶えることなく現代に継承されている技術です。有松・鳴海絞りは、400年以上の歴史を有し、先人たちのたゆまぬ創意工夫により生まれた100種類以上の絞り技法や染色技法により有松・鳴海地方は世界に誇る無類の絞りの産地として、世界中から評価されています。有松絞りというと藍染の浴衣のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、総絞りは昔から高級呉服の代名詞。小紋から格調高い振袖まで様々なきものがあります。しかし、総絞りの着物には第一礼装に必要な「五つ紋」「三つ紋」が入れられないため、格は準礼装となります。振袖の場合は、未婚女性の略式礼装着なので、総絞りのものであってもフォーマルな席に来ていけます。 様々な絞りの技を組み合わせた豪華な振袖 ■■ 金さん・銀さんも有松絞りの括り手だった 熟練の職人によるいくつもの工程を経て絞りは出来上がりますが、模様を決定する大事な作業が「括り」。布を堅く糸で括り、そこだけ染料が入らないように防染するのです。根気と熟練が必要な作業で、通常4〜5人の家庭へ次々と廻されて加工されますが、技法により様々な加工方法と異なった道具が使われます。ちなみに、あの金さん・銀さんも有松絞りの括り手だったそうです。括りが終わった布は専業の染屋によって各種の染色が行われます。その後、糸抜きをしますが、絞りの種類によっては1反に3〜4日かかるものも。何から何まで手のかかる手仕事の連続です。美しい有松絞りは、こうしてやっと1つの反物になるのです。 ■■ 美しい街並みも見どころ 保存地区の規模は小さいながら、1本道の両側に古い町並みが連なり見応えがあります。尾張藩の手厚い庇護の下、目覚ましい発展を遂げ、全国に名を知られるようになった有松でしたが、天明4年(1784年)の大火で全村のほとんどが消失。大火後20年ほどで殆ど復興を果たしました。これを機に、旧東海道沿いの町屋は瓦葺に改め、うだつを設け、構造も塗籠造りとしたことから、現在見られるような商家が立ち並ぶ町並みとなりました。 (左・右上)竹田嘉兵衛商店 (右下)歌川広重 東海道五拾三次「鳴海 名物有松絞」 《 今月のワンポイント:無地の帯揚げ 》 洋服では、スカーフやアクセサリー上手に使いこなすのがお洒落の見せどころ。同じように、きものでも小物次第で同じきもの・同じ帯を全く違う印象に見せることができます。小物でキマるといっても過言ではないくらい。そこでおすすめなのが、縮緬の無地の帯揚げです。価格が手頃なので、使いやすい色を何色か集めておくと便利。帯の間に入れてしまうので、意外とハッキリした色を持ってきても派手過ぎず素敵です。 更新日:2020年11月18日(水)

*** VOL.11 *** 皆さま、こんにちは。あっという間の11月。お店に行くとお節や年賀葉書の広告を目にするようになり、日の短さにさらに気忙しい日々を送っていますが、こんな時こそ、深呼吸や自分の時間をしっかり持たなくては!と言い聞かせております。 今月はちょっと角度を変えた目線からおしゃれのご提案を♪ 先日のことになりますが、半年ぶりの大好きなミュージカルをやっとリアルで観劇することができました。3月、4月とチケットはとっておりましたが、相次ぐ中止のお知らせで、リアルでの観劇はいつになるのか、、、と、気をもんでおりました。が、ようやく動きだしたんだなと実感し感動でウルウル。歌やダンスに音楽、照明に音響と沢山の方達の想いと働いていらっしゃる方がいて一つの作品を作りあげて、劇場が開場となるわけです。 今回、私が観劇したのはあの有名な「ローマの休日」のミュージカル版。映画は1953年に上映され、オードリー・ヘプバーンが女優としてブレイクした作品。ジェラートを食べるシーンや、グレゴリー・ペックとスクーターに乗ってローマの街を走り抜けるシーンは今でも斬新で皆さんもすぐにその情景が思い出せるくらいだと思います。その時のオードリーの衣装や髪型も素敵でしたよね。そう、あれから67年の時が経てもあのファッションは新しい。おしゃれに流行りがあっても、実は素敵なデザインやコーディネートには常に新しさを感じるんです。だからと言って、あの細いフレアスカートを取り入れましょうと言っているのではなく、スカーフの巻き方や選び方や取り入れ方。そして『おしゃれを楽しむ』という気持ちが大切です。 私は習い事の時にも、差し色をツイリーで。ツイリーが短めをえらんだのは、書のお稽古に邪魔にならないように。 「歳だから、こんな色は着れないわ」「歳だからおしゃれは恥かしい」なんて声をお聞きすることはお客様とのやり取りで実際にありますが、いつも私がお応えする言葉は『人生もったいない!おしゃれで人生楽しみましょう!!』です。まずはリーディンググラスでもいいんです。縁の色やデザインが面白い物とかに挑戦してみるのも、きっかけとしては挑戦のハードルが下がるかもしれないですね。 このコーナーで何度も書かせていただいてますが、洋服で明るい色や柄物が苦手、、、という方だったらスカーフで色や柄を取り入れたり、靴やバックで差し色を取り入れたり。ローマの休日のヘップバーンの衣装では、あのスカーフの巻き方や大きさでアクセントとアクティブさが表現されてストーリーに華を添えてくれています。仮にスカーフが長かったら、逆にスカートが短かったかも、、、なんて想像してみると面白いですね。おしゃれの楽しみ方や参考になるコーディネートは映画やドラマからも学べます。時が経った作品も色あせることなく参考になりますのでオススメです。 (左)ベレー帽にはこんな感じに(右)私のコレクションの一部です。アンティークの物もありますが、やはりデザインはいつ見ても新しさを感じます。 私自身、最近知らない方にもよく褒められるのはベレー帽にブローチ。そこから「あら素敵ね〜」「どこで買ったの?」「他にはどんな物を持っているの?」なんて会話も弾んで♪ この間は、長蛇のタクシー待ちの時間が楽しいおしゃれ談義の時間になりました。ちょっとプチ自慢になりますが(笑)、よく素敵なマダムに話かけられるんです♪ ふふふっ。私は単純なので人生得した気分になってます。 何事もちょっとした事で目線や気持ちが変わります。おしゃれも同じ! 自分自身のご機嫌になるための魔法です。是非、是非、貴方だけのちょっとしたおしゃれを秋も楽しんでいただけましたら幸いです。インスタグラムでは私の最新ポップアップ情報もですが小物の使い方もアップしております。お陰様で2021年1月、2月は都内で「おしゃれ講座」も開催が決定いたしました。気負わない楽しいおしゃれをご提案しますので、お気軽にご参加くださいませ。 今月も最後までお読みくださりありがとうございました。こちらで皆様にお会いできますのも今回と12月で最後になります。来月もお会いできますこと、そして11月も皆様にとって素敵な一ヶ月になりますようにお祈りして。「成瀬ヒロのおしゃれのススメ」今月もお試しあれ! ★成瀬ヒロのインスタグラムはこちらを検索→ hironaruse.corsage <<< 成瀬ヒロのおしゃれのススメ vol.10 ■■ P R O F I L E ■■ ファッションキュレーター・日本で唯一コサージュスタイリングの専門家成瀬 ヒロ(なるせ ひろ) フラワーアレンジメントの技術を応用し、「身に着ける人の魅力を引き出す魔法のアイテム」をコンセプトに、2012年、自身のブランド「SPICE 」を立ち上げる。他にはないシックでビターなデザインと色合わせ、さらに型崩れしにくい実用性の高さが感性の鋭い女性たちの目に留まり人気に。現在はファッションスタイリングセミナーを開催、俳優とのコラボブランドやアーテイストの舞台衣装をプロデュース等、活躍の幅を拡げている。 更新日:2020年11月4日(水)

● VOL.11 ● 鶏団子と大根のお味噌汁 暦の上ではもう冬の始まり、寒くなってきましたね。今回は寒い日に食べたい、温かい汁物です。まずはお出汁に大根を入れて火にかけます。ことこと、ことこと。じっくり熱を伝えます。大根が柔らかくなったら、鶏団子を鍋へ。ふんわり鶏団子のお味噌汁、大根に旨味が染みてとてもおいしくなります。これから美味しくなる小松菜もたっぷり入れて召し上がってください。鶏の旨味と味噌が合わさる優しい味で、心もほっこり。温かい汁物で体を中から温め、風邪に負けないように免疫力を高めていきましょう。 【材料】(4人分、鶏団子12個くらい)☆鶏ひき肉.......................................200g☆卵................................................1個 ☆塩................................................2つまみ ☆味噌.............................................小さじ1☆酒................................................小さじ1 ☆片栗粉..........................................小さじ1 ☆しょうが.......................................みじん切り(1かけ分) ☆長ネギ..........................................みじん切り 10cmくらい 大根.............................................4cm 小松菜..........................................2〜3株 出汁.............................................600cc 味噌.............................................小さじ4 ■ 作り方 ■ 1. 大根の皮をむき、厚さ7mmくらいのいちょう切りにする。小松菜を3cmに切る。 しょうが、長ネギをみじん切りにする。 2. 大鍋に出汁と大根を入れて火にかけ、5分煮る。 3. 肉種を作る。ボウルに鶏ひき肉から、長ネギのみじん切りまで(☆マーク)の材料を全て入れ、よく混ぜる。 4. 大根が柔らかくなったのを確認し、肉種をスプーン2本で形を整えながら、出汁の中にそっと入れる。すべて入ったら、中火で5分くらい煮る。 5. 味噌を溶き入れ、小松菜を加えて火を通す。 6. 味見をし、味を整える 7. お椀に盛り、お好みで七味唐辛子、黒胡椒などをかけていただく。 <<< ● VOL.10 ● 豚肉の塩麹焼き 蒸しなす添え ■■ P R O F I L E ■■ 自宅料理教室「チアフルキッチン」主宰にんべん だしアンバサダー柏木京子(かしわぎ きょうこ) 出産時に生死の境をさまよった経験から「食の大切さ」を実感、自宅などで料理教室を始める。夫がアメリカ西海岸に転勤になった2011年からSkypeによるオンライン料理教室を開始。帰国後は「いまさら聞けない料理の基礎」など主婦の悩みに応えるテーマのレッスンを次々企画、人気を博す。オンライン教室はのべ1,000人以上が参加。自宅での料理教室もリピーターが多い。 更新日:2020年11月4日(水)

● VOL.15 ● ねぎじゃこ 普段は脇役のネギ、ちりめんじゃこ、白ごま。調味料は酢、醤油のみ。今回ご紹介するのは、おばあちゃんに教えてもらった料理です。結婚したばかりで自分が作る料理に飽き飽きしていた頃、こんなシンプルな材料でおいしい料理ができるんだと感動しました。これを食べると体の中からきれいになる気がします。万能ネギの疲労回復、血行を良くして体を温める、脳を活性化するなどの効果が影響しているようです。ご飯のお供に、またカレーに添えると雰囲気が変わって楽しいです。料理教室でも大人気の一品。ぜひ作ってみてください。 【材料】万能ねぎ................................. 1袋ちりめんじゃこ..................... 大さじ4白ごま................................... 大さじ1酢.......................................... 大さじ1醤油...................................... 小さじ1 ■ 作り方 ■ 1. 万能ねぎをみじん切りにする。 2. ちりめんじゃこ、白ごまをフライパンで乾煎りし、水分をとばしておく。 3. 冷まして粗熱を取る。 4. ねぎと合わせ、酢・醤油で味付けする 5. ご飯に、納豆に、そのまま食べても。カレーの付け合わせにすると、味が変化して楽しいです。 <<< ● VOL.14 ● 豆腐の照り焼き ■■ P R O F I L E ■■ 自宅料理教室「チアフルキッチン」主宰にんべん だしアンバサダー柏木京子(かしわぎ きょうこ) 出産時に生死の境をさまよった経験から「食の大切さ」を実感、自宅などで料理教室を始める。夫がアメリカ西海岸に転勤になった2011年からSkypeによるオンライン料理教室を開始。帰国後は「いまさら聞けない料理の基礎」など主婦の悩みに応えるテーマのレッスンを次々企画、人気を博す。オンライン教室はのべ1,000人以上が参加。自宅での料理教室もリピーターが多い。 更新日:2021年3月3日(水)

● VOL.14 ● 豆腐の照り焼き ここのところの自粛生活で1日3食ご飯を作っている方が多くなってきています。毎日が自分の作る料理。もう飽きてしまったーとという方も多いのではないでしょうか。そこで今日は、いつでもどこでも手にはいる豆腐を使った料理をご紹介します。ひと手間加えると、いつもの豆腐がとびきりおいしくなります。豆腐は絹ごし、木綿、どちらでも大丈夫。絹ごしはプルプルに、木綿はしっかりした仕上がりになります。外は甘辛、中は豆腐の美味しさをぜひ味わってくださいね。 【材料】(2人〜4人分)豆腐.......................................1丁(木綿、絹、どちらでも)片栗粉.................................... 大さじ2くらい舞茸.......................................1パック ごま油.................................... 大さじ1〜2 ☆醤油.................................... 大さじ1.5 ☆みりん................................. 大さじ3 細ねぎ....................................3本分(細かく刻む) ■ 作り方 ■ 1. 豆腐はキッチンペーパーに包んで、5分くらい置き、水分をきる。 2. 舞茸は小房に分ける。醤油とみりんを合わせておく。 3. 水気を切った豆腐を8〜10等分にし、全面に片栗粉をつける。4. フライパンにごま油をしき、豆腐の全面をこんがり焼く。豆腐を端に寄せ、舞茸を炒める。 5. 醤油とみりんを合わせたものを加え、時々返しながら、絡めるように火にかける。火が強すぎるとすぐに焦げてしまうので、気をつけて。 6. 皿にもりつけ、青ネギをのせる。 <<< ● VOL.13 ● 本格出汁でいただく鯛茶漬け ■■ P R O F I L E ■■ 自宅料理教室「チアフルキッチン」主宰にんべん だしアンバサダー柏木京子(かしわぎ きょうこ) 出産時に生死の境をさまよった経験から「食の大切さ」を実感、自宅などで料理教室を始める。夫がアメリカ西海岸に転勤になった2011年からSkypeによるオンライン料理教室を開始。帰国後は「いまさら聞けない料理の基礎」など主婦の悩みに応えるテーマのレッスンを次々企画、人気を博す。オンライン教室はのべ1,000人以上が参加。自宅での料理教室もリピーターが多い。 更新日:2021年2月3日(水)

寒い中にも春の兆しが感じられる季節になりました。不思議なもので、立春を過ぎると途端に空気が春めいてきます。近所を散歩すると、どこからともなく梅の香りがしてきます。よく見るとサクラの枝先には花芽がたくさん付いていて、少しずつ開花に向けて準備していることがわかります。待ち遠しい春はもうすぐそこまで来ているのですね。 さて、趣味的要素の強い紬。どんなに高価でもフォーマルな場には着ていけない、いわば贅沢な普段着。そこが通好みのするところもあります。そんな紬から、今回は春に着たい黄八丈と久米島紬を取り上げました。 ■■ 第4回 本場黄八丈と久米島紬 ■■ ■■ 本場黄八丈 黄八丈は、八丈島に伝わる草木染めの絹織物で、島に自生する植物の煮汁で黄色・樺色・黒の3色に染められた糸で織り上げます。黄色は八丈刈安(コブナ草)、樺色はマダミ(タブの木)、黒色は椎の木の樹皮と泥浸けで染められます。媒染は榊・椿の灰汁など、アルミナ焙煎によって鮮やかな発色と独特の光沢が生まれ、孫の代まで色褪せないといわれます。 江戸時代には年貢として幕府に納められていた黄八丈。江戸後期に「恋娘昔八丈」という人形浄瑠璃で黄八丈の衣装が採用され、後に歌舞伎でも上演されたことから爆発的な人気を誇ったといわれています。現在では経済産業省伝統的工芸品として、また東京都産業労働局東京の伝統工芸品として「本場黄八丈」が指定を受けています。 縞模様や格子柄の黄八丈は、気軽な街着というイメージ。きものに不慣れな人でも縞や格子なら抵抗がないかもしれませんね。画像は春を感じさせる若草色の帯揚げに、道明のグリーン系の爽やかな帯締めを合わせ、遊びでヴィンテージのセルロイドのブローチを帯留めに。こんな楽しいコーディネートでお出かけしたら、気持ちがぐっと上がりますね。 ■■ 久米島紬 こちらは久米島絣です。久米島というと泥染めが有名で人気もありますが、黒地のきものはかなり個性的なのでこのくらいの色の方が着やすいかもしれません。ここでは琉球柄の帯を合わせて個性を強調しました。久米島紬は15世紀に中国から養蚕が伝わり、久米島を起点に沖縄本島、奄美大島を経て本土に伝えられたとされます。大島紬、久留米絣、結城紬などの日本の紬の発祥の地ともいわれます。蚕から取った真綿で紡いだ糸を原料に、天然の草木や泥染めによって染色し、高機で織っていきます。全ての工程を1人の織子が行うのが特徴。江戸時代には貢納布として米に変わって納められていたため、15歳から45歳までの島の女性は「布屋」と呼ばれる集落毎の工房で「御絵図(みえず)」という王府の絵師が描いたデザイン見本の通りに正確に織り上げることが求められました。現在、貴重な久米島紬は国の重要文化財に指定されています。 こちらは泥染めの久米島紬です。いわゆる琉球柄ではなく細かい織り模様が男性的なので、アフリカの木綿の絞りの帯と合わせて個性的な着こなしに。帯揚げはアフリカの大地の色、バッグも中央アフリカのクバ族の布で作ったもの。こんな遊びができるのは紬ならではの楽しさです。 《 今月のワンポイント:たとう紙 》 きものや帯は、「たとう紙」に包んでしまいますが、紐を結んでしまうと中に何が入っているのかわからなくなりますね。そこでおすすめしたいのが、中に入っているきものや帯の写真をこのように貼っておくこと。これなら一目瞭然で中身がわかるので、きものを着る度に色々開けてみる必要がありません。ちょっとしたことですが、これだけでストレスなくきものを着ることができます。 更新日:2021年2月3日(水)

● VOL.13 ● 本格出汁でいただく鯛茶漬け 忙しくて料理する時間がない。作るのがめんどう。食べることが大事だとわかっているけど、うまくいかない。そんな時にお勧めなのがお出汁です。お出汁があれば、どんなに忙しくても安心。パッと美味しいご飯が作れます。今回は思い立ったらすぐに作れる、昆布とかつお節の合わせ出汁をご紹介します。昆布にはグルタミン酸、かつお節にはイノシン酸という旨味成分があり、旨味の相乗効果で何とも言えないまろやかな味になります。栄養満点、香りもとてもいいです。おいしいお出汁で作る鯛のお茶漬け、絶品です! ぜひ作ってみてください。 【材料】(1人分)昆布とかつお節の一番出汁...... 200ml 鯛の刺身.............................. 50gくらい 醤油.............................. 小さじ2 みりん.............................. 小さじ1.5(煮切る) 白ごま.............................. 大さじ1 あられ.............................. 少々 三つ葉.............................. 1株ゆず.............................. 少々 わさび.............................. お好みで【出汁用】 ☆水 ...........................1000ml ☆かつお節.................... 20g ☆昆布...........................10g ■ 作り方 ■ 1. 出汁をひく。鍋に水、昆布、かつお節を入れ、中火にかける。湧いてきたら表面のアクを取り除き、極々弱火にして10分待つ。この時かき混ぜないようにする。 2. ざるに上げてこす。これで約800ml(4人分)の出汁ができる。 3. みりんを電子レンジで加熱し、アルコール分をとばす(煮切る)。ごまをすり鉢で半摺りにし、醤油、煮切りみりんを加えて混ぜ、鯛の刺身を2〜3分漬ける。 4. 出汁を小鍋で温める。 5. 温かいご飯に、鯛、 三つ葉、ゆずの皮をのせる。 6. 出汁をそっとかける。お好みであられ、わさびを添えていただく。 <<< ● VOL.12 ● 鱈とじゃがいものスープ ■■ P R O F I L E ■■ 自宅料理教室「チアフルキッチン」主宰にんべん だしアンバサダー柏木京子(かしわぎ きょうこ) 出産時に生死の境をさまよった経験から「食の大切さ」を実感、自宅などで料理教室を始める。夫がアメリカ西海岸に転勤になった2011年からSkypeによるオンライン料理教室を開始。帰国後は「いまさら聞けない料理の基礎」など主婦の悩みに応えるテーマのレッスンを次々企画、人気を博す。オンライン教室はのべ1,000人以上が参加。自宅での料理教室もリピーターが多い。 更新日:2021年1月6日(水)

■■ 第2回 西陣織(京都) ■■ きものを着なくても、西陣織の名を知らない人はいないと思います。西陣織とは、「多品種少量生産が特徴の京都(西陣)で生産される先染の紋織物」の総称。「染めのきものに織りの帯」といわれますが、染めの着物の代表格が友禅染、織りの帯の代表格が西陣織で、最も品格の高い帯とされます。昔から「帯は西陣」といわれる所以です。 ■■ 西陣織の起源は古墳時代 西陣織の歴史は古く、5世紀〜6世紀ごろ、大陸からの渡来人である秦氏の一族が、今の京都・太秦あたりに住み着いて養蚕と絹織物を伝えたのがはじまりとされます。平安遷都後、朝廷は織部司(おりべのつかさ)という織物業の役所をつくり、絹織物の技術を受け継ぐ工人(たくみ)によって綾・錦など高級織物の生産をはじめました。「西陣織」と呼ばれるようになったのは室町時代の応仁の乱の後。戦禍を逃れていた職人たちが戻り、織物業を再開した土地が西軍の本陣(西陣)だったことから「西陣織」という名が生まれました。その後も中国の明から技術を取り入れ、幕府の保護のもと、高級織物の産地としてさらに発展を遂げたのです。 ■■ 西陣織の種類は多種多様 「西陣に織れないものはない」といわれるほど多彩な西陣織。何色もの色糸を使って美しい織文様をつくりだす錦(にしき)、とりどりの色糸を使い、刺繍のように縫い取りで柄を降りだす唐織(からおり)、緯糸(よこいと)だけで文様を表現する綴(つづれ)のほか、箔(つかい)、紹把(しょうは)、すくい、紬(つむぎ)、絽(ろ)、紗(しゃ)、羅(ら)、刺練、染と、実にさまざまな染織の技法が用いられています。伝統的な文様から、現代的で斬新な図柄に挑戦する機屋さんまで実にさまざまです。 ■■ 伝統と革新が生み出す魅惑の帯 西陣の帯の製造は、一般的に図案デザインから紋図、特殊な糸の製造や加工、紋紙掘り、引箔、染色、手織りまでが分業化されています。一流の職人の手による技術力と、京都という土地柄が生み出す華やかで雅な帯は美しく、きものを着る女性たちを魅了しますが、機屋さんの中には若いデザイナーのポップな図柄を帯に仕上げ海外で発表する個性的な店もあり、西陣織の可能性を広げています。 <<< 第1回 有松絞り(名古屋) 《 今月のワンポイント:帯留め 》 きもののお洒落は帯周りで決まります。お茶会やフォーマルな席に行く場合は別として、観劇やお食事に行く時なら、帯留めや帯飾りで大いに遊ぶのが楽しいと思います。写真はいずれもアンティークの帯留め。フルーツの帯留めはセルロイドで、元はブローチだったもの。元々ブローチと共用できるものも多いですね。帯留めは「大胆過ぎるかな」と思うくらいのものの方がお洒落。自分の個性を思い切り主張してみてくださいね。 更新日:2020年12月17日(木)

● VOL.12 ● 鱈とじゃがいものスープ 12月になり、ぐっと冬らしくなってきました。今回は寒い冬に食べたい、鱈とじゃがいものスープです。最近は一年中見かける鱈ですが、これからがおいしい季節。冬から春の産卵に向けて脂がのり、栄養価も高くなります。甘味のあるじゃがいもキタアカリとことこと煮込む。鱈のふわっとした食感、じゃがいものほくほく感の組み合わせが楽しいスープです。小さく切って炒めたベーコンやピンクペッパーをトッピングに。パセリなどグリーンを添えれば、クリスマスにもおすすめです。 【材料】(2人分)白身魚(たら)..................... 2切れ玉ねぎ.....................1/2個 (みじん切り) セロリ.....................1本(みじん切り) にんにく..................(みじん切り) じゃがいも.................. 2個(500gくらい、1.5cm角) 出汁もしくはチキンスープ......... 500ml塩.......................................... 小さじ1/2 コショウ................................. 少々 オリーブオイル..................... 大さじ1 ローリエ..............................1枚 ■ 作り方 ■ 1. 白身魚(たら)を3つくらいに切り、皮を取り除く。塩(分量外)を軽くふって30分くらい置く。 2. 水分が出てきたらペーパーで拭き取る。 3. みじん切りにした玉ねぎ、セロリ、にんにくに塩ひとつまみ加え、オリーブオイルで炒める。しんなりしたら、じゃがいも、たらの順にのせ、出汁を50〜100ml加え、蓋をして中火にかける。沸騰したら火を弱め、約5分煮る。 4. じゃがいもが柔らかくなったら、残りの出汁、ローリエ、塩を加えて、さらに5分煮込む。 5. じゃがいもをお玉で軽くつぶしながら全体を混ぜる。味見をし、塩、こしょうで味を整える。 6. 器に盛りつけ、グリーンをあしらう。お好みで、炒めたみじん切りのベーコン、ピンクペッパーなどをのせていただく。牛乳や生クリームを少し加えると、さらにまろやかになります。 <<< ● VOL.11 ● 鶏団子と大根のお味噌汁 ■■ P R O F I L E ■■ 自宅料理教室「チアフルキッチン」主宰にんべん だしアンバサダー柏木京子(かしわぎ きょうこ) 出産時に生死の境をさまよった経験から「食の大切さ」を実感、自宅などで料理教室を始める。夫がアメリカ西海岸に転勤になった2011年からSkypeによるオンライン料理教室を開始。帰国後は「いまさら聞けない料理の基礎」など主婦の悩みに応えるテーマのレッスンを次々企画、人気を博す。オンライン教室はのべ1,000人以上が参加。自宅での料理教室もリピーターが多い。 更新日:2020年12月2日(水)

*** VOL.12(最終回) *** 2020年12月。 師走に入り、クリスマスのアドベントや年末年始の準備を始められた方も多いのではないでしょか? 慌ただしい1ヶ月になりますが、そんな時こそ心落ち着せ深呼吸をしながら過ごしていきましょう! 今月も「成瀬ヒロのおしゃれのススメ」スタートです!! 先月末、日立にある料亭「三春」に1年ぶりに伺ってきました。日立駅すぐそばの料亭で、高度成長期をきっかけに大変栄え、今年で創業70周年を迎えた皆さんの憧れのお店です。どのお部屋からもオーシャンビューの波の音が聞こえます。今は女将が3代目になり、お料理はそのままに、数年前にカフェをスタート。私が今のお仕事になってからずっと応援してくださっています。大好きな女将と笹巻きを目当てにプライベートでも伺いたい場所。ここでの展示会はもう十数回目になります。(三春名物「笹巻きごはん」ランチは前日までのご予約ですが発送もしていますので、お歳暮、おうち時間にもオススメです)。美味しいものは人を幸せにしてくれますね。お洒落と一緒です♪ いつもはコサージュの付け方に始まり、お洒落にかぶる帽子の被り方、選び方。年末年始のご挨拶に褒められるファッション。クローゼットに眠っている小物を蘇らせる方法などなどをお客様に講座や個別でお伝えしてきましたが、今回は「おうち時間のおしゃれで免疫力を上げる方法」をお越しいただいたお客様に伝授させていただきました!! 一部になりますが、例えば、1. おうち時間でも気持ちのスイッチを入れるために メイクをする。2.おうち時間でもお気に入りのアクセサリーなどの小物など身に着ける。(エプロンにブローチもおすすめです) 3.お家だけで過ごしてニュースを見ていると 気持ちが自然に落ち込むことがあると思いますがテーブルコーデや自分の着る服なども明るいものを身に着ける。(以前からお話している色の力ですよ!) 4.マスク生活をしていると、どうしても口元の表情がわかりづらくなるので、そんなシーンの時にはお顔まわりが明るく見えるストール、マフラー、またはマスク自体を自分の好きなデザインや色にする。こんなことに気をつけると自分のご機嫌を自分で取れて、今までのように買い物に行ったり家族で旅行に行ったりしなくても、ニューノーマルでもいつもご機嫌でいられます。 ライフスタイルでいうと、北欧の冬の過ごし方のイメージでしょうか。長くて日照時間が短くなる冬の時間をいかに楽しむか。おうち時間でゆったり、そして自分スタイルを大切にしながら 楽しく過ごす時間。何事もちょっとした事で目線や気持ちが変わります。おしゃれも同じ!自分自身のご機嫌になるためのエッセンスです。私が1年を通してお伝えしたかったことは、お洒落な人になって欲しいのではなく、自分流のお洒落を楽しんでいただくこと。私自身は、ニューノーマルになってからは、本物は決して色あせることなく常に新しく、唯一無二の存在だと改めて思いました。 今はたくさんの物と情報があふれています。おしゃれで免疫力を上げて心を整えながら、良いものをいっぱい引き寄せてくださいね。そしてぜひぜひ、貴方だけのちょっとしたお洒落を楽しんでください。こんな時だからこそ、おしゃれの楽しさや大切さなどもお伝えでき、実感していただけたこともあったのではないかなと思っております。(本当はバカンスで楽しむお洒落やランチ会などで浮かずにさりげなく上品なお洒落など、書きたいことは沢山ありました...) 「成瀬ヒロのおしゃれのススメ」は今回で最終回となります。まさか、まさかの2020年の1年間を担当させていただき、本当にいろいろなことがありましたが、今はよき思い出です。心残りは自粛で、レディ東京主催のイベントで皆さんに直接お会いできなかったこと。それだけが残念でなりませんが、きっと別の機会にお会いできることを信じて。おしゃれはハードルが高いものではなく、自分の気持ち次第の身近なものです。2021年からは「おしゃれで免疫力アップ」ですよ。1年間お付き合いいただきまして本当にありがとうございました。ご縁に心から感謝。2021年も、皆様にとって心健やかに素敵な年になりますように。 ★成瀬ヒロのインスタグラムはこちらを検索→ hironaruse.corsage <<< 成瀬ヒロのおしゃれのススメ vol.11 ■■ P R O F I L E ■■ ファッションキュレーター・日本で唯一コサージュスタイリングの専門家成瀬 ヒロ(なるせ ひろ) フラワーアレンジメントの技術を応用し、「身に着ける人の魅力を引き出す魔法のアイテム」をコンセプトに、2012年、自身のブランド「SPICE 」を立ち上げる。他にはないシックでビターなデザインと色合わせ、さらに型崩れしにくい実用性の高さが感性の鋭い女性たちの目に留まり人気に。現在はファッションスタイリングセミナーを開催、俳優とのコラボブランドやアーテイストの舞台衣装をプロデュース等、活躍の幅を拡げている。 更新日:2020年12月2日(水)

●はじめに● 昭和40年代までは、入学式や卒業式で見かけるお母さんたちの半数ほどは「きもの」でした。日常的にきものを目にした時代。今と何が違うのか考えてみると、きものに限らず、昔の方が服装のTPOが明確だったのですね。今はどんな場所にもカジュアルな服装で行く人が多いですが、当時は普段着とお出かけ着がきっちり分かれていて、「場」によって服装を変えるのが当たり前でした。それは、行く場所や会う相手に対する敬意を服装で表すという、大人の嗜みを誰もが持っていたからでした。 今、時流は「和」。日本文化を見直す様々な動きがある中、「きものを着てみたい」という人が増えています。日本全国には伝統的な美しい染織があり、手間隙かけた手仕事によって支えられています。どんな所でどんな風にきものが作られているかを知ることで、きものへの愛着が湧き、着てみたいという思いが深まるかもしれません。このコラムでは毎月産地を1つ選び、<日本の染織・きもの>の魅力をご紹介していきます。憧れのきものを、まずは知ることから始めてみてはいかがでしょうか。 ■■ 第1回 有松絞り(名古屋) ■■ ■■ 有松絞りの歴史 名古屋から名鉄名古屋本線で有松駅まで約20分。有松は、江戸幕府の東海道整備に伴い尾張藩が慶長13年(1608年)に出した入植者募集のお触書きによって、阿久比から庄九郎はじめ8名が入植して誕生しました。名古屋城築城の折に豊後(大分)の方より絞り染を習い、その後この地域で工夫をし、今日につながる有松・鳴海絞りが生まれます。絞り染めは東海道の旅人の土産物としてもてはやされ有松は繁栄を誇りました。その様子は、北斎や広重の浮世絵に描かれています。 100種類以上もある絞りの技術が様々な柄を創りだします ■■ 高級品の代名詞「絞り」 布に施す最も古い染色技法の1つといわれる「絞り」は、世界中に3000年以上も途絶えることなく現代に継承されている技術です。有松・鳴海絞りは、400年以上の歴史を有し、先人たちのたゆまぬ創意工夫により生まれた100種類以上の絞り技法や染色技法により有松・鳴海地方は世界に誇る無類の絞りの産地として、世界中から評価されています。有松絞りというと藍染の浴衣のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、総絞りは昔から高級呉服の代名詞。小紋から格調高い振袖まで様々なきものがあります。しかし、総絞りの着物には第一礼装に必要な「五つ紋」「三つ紋」が入れられないため、格は準礼装となります。振袖の場合は、未婚女性の略式礼装着なので、総絞りのものであってもフォーマルな席に来ていけます。 様々な絞りの技を組み合わせた豪華な振袖 ■■ 金さん・銀さんも有松絞りの括り手だった 熟練の職人によるいくつもの工程を経て絞りは出来上がりますが、模様を決定する大事な作業が「括り」。布を堅く糸で括り、そこだけ染料が入らないように防染するのです。根気と熟練が必要な作業で、通常4〜5人の家庭へ次々と廻されて加工されますが、技法により様々な加工方法と異なった道具が使われます。ちなみに、あの金さん・銀さんも有松絞りの括り手だったそうです。括りが終わった布は専業の染屋によって各種の染色が行われます。その後、糸抜きをしますが、絞りの種類によっては1反に3〜4日かかるものも。何から何まで手のかかる手仕事の連続です。美しい有松絞りは、こうしてやっと1つの反物になるのです。 ■■ 美しい街並みも見どころ 保存地区の規模は小さいながら、1本道の両側に古い町並みが連なり見応えがあります。尾張藩の手厚い庇護の下、目覚ましい発展を遂げ、全国に名を知られるようになった有松でしたが、天明4年(1784年)の大火で全村のほとんどが消失。大火後20年ほどで殆ど復興を果たしました。これを機に、旧東海道沿いの町屋は瓦葺に改め、うだつを設け、構造も塗籠造りとしたことから、現在見られるような商家が立ち並ぶ町並みとなりました。 (左・右上)竹田嘉兵衛商店 (右下)歌川広重 東海道五拾三次「鳴海 名物有松絞」 《 今月のワンポイント:無地の帯揚げ 》 洋服では、スカーフやアクセサリー上手に使いこなすのがお洒落の見せどころ。同じように、きものでも小物次第で同じきもの・同じ帯を全く違う印象に見せることができます。小物でキマるといっても過言ではないくらい。そこでおすすめなのが、縮緬の無地の帯揚げです。価格が手頃なので、使いやすい色を何色か集めておくと便利。帯の間に入れてしまうので、意外とハッキリした色を持ってきても派手過ぎず素敵です。 更新日:2020年11月18日(水)

*** VOL.11 *** 皆さま、こんにちは。あっという間の11月。お店に行くとお節や年賀葉書の広告を目にするようになり、日の短さにさらに気忙しい日々を送っていますが、こんな時こそ、深呼吸や自分の時間をしっかり持たなくては!と言い聞かせております。 今月はちょっと角度を変えた目線からおしゃれのご提案を♪ 先日のことになりますが、半年ぶりの大好きなミュージカルをやっとリアルで観劇することができました。3月、4月とチケットはとっておりましたが、相次ぐ中止のお知らせで、リアルでの観劇はいつになるのか、、、と、気をもんでおりました。が、ようやく動きだしたんだなと実感し感動でウルウル。歌やダンスに音楽、照明に音響と沢山の方達の想いと働いていらっしゃる方がいて一つの作品を作りあげて、劇場が開場となるわけです。 今回、私が観劇したのはあの有名な「ローマの休日」のミュージカル版。映画は1953年に上映され、オードリー・ヘプバーンが女優としてブレイクした作品。ジェラートを食べるシーンや、グレゴリー・ペックとスクーターに乗ってローマの街を走り抜けるシーンは今でも斬新で皆さんもすぐにその情景が思い出せるくらいだと思います。その時のオードリーの衣装や髪型も素敵でしたよね。そう、あれから67年の時が経てもあのファッションは新しい。おしゃれに流行りがあっても、実は素敵なデザインやコーディネートには常に新しさを感じるんです。だからと言って、あの細いフレアスカートを取り入れましょうと言っているのではなく、スカーフの巻き方や選び方や取り入れ方。そして『おしゃれを楽しむ』という気持ちが大切です。 私は習い事の時にも、差し色をツイリーで。ツイリーが短めをえらんだのは、書のお稽古に邪魔にならないように。 「歳だから、こんな色は着れないわ」「歳だからおしゃれは恥かしい」なんて声をお聞きすることはお客様とのやり取りで実際にありますが、いつも私がお応えする言葉は『人生もったいない!おしゃれで人生楽しみましょう!!』です。まずはリーディンググラスでもいいんです。縁の色やデザインが面白い物とかに挑戦してみるのも、きっかけとしては挑戦のハードルが下がるかもしれないですね。 このコーナーで何度も書かせていただいてますが、洋服で明るい色や柄物が苦手、、、という方だったらスカーフで色や柄を取り入れたり、靴やバックで差し色を取り入れたり。ローマの休日のヘップバーンの衣装では、あのスカーフの巻き方や大きさでアクセントとアクティブさが表現されてストーリーに華を添えてくれています。仮にスカーフが長かったら、逆にスカートが短かったかも、、、なんて想像してみると面白いですね。おしゃれの楽しみ方や参考になるコーディネートは映画やドラマからも学べます。時が経った作品も色あせることなく参考になりますのでオススメです。 (左)ベレー帽にはこんな感じに(右)私のコレクションの一部です。アンティークの物もありますが、やはりデザインはいつ見ても新しさを感じます。 私自身、最近知らない方にもよく褒められるのはベレー帽にブローチ。そこから「あら素敵ね〜」「どこで買ったの?」「他にはどんな物を持っているの?」なんて会話も弾んで♪ この間は、長蛇のタクシー待ちの時間が楽しいおしゃれ談義の時間になりました。ちょっとプチ自慢になりますが(笑)、よく素敵なマダムに話かけられるんです♪ ふふふっ。私は単純なので人生得した気分になってます。 何事もちょっとした事で目線や気持ちが変わります。おしゃれも同じ! 自分自身のご機嫌になるための魔法です。是非、是非、貴方だけのちょっとしたおしゃれを秋も楽しんでいただけましたら幸いです。インスタグラムでは私の最新ポップアップ情報もですが小物の使い方もアップしております。お陰様で2021年1月、2月は都内で「おしゃれ講座」も開催が決定いたしました。気負わない楽しいおしゃれをご提案しますので、お気軽にご参加くださいませ。 今月も最後までお読みくださりありがとうございました。こちらで皆様にお会いできますのも今回と12月で最後になります。来月もお会いできますこと、そして11月も皆様にとって素敵な一ヶ月になりますようにお祈りして。「成瀬ヒロのおしゃれのススメ」今月もお試しあれ! ★成瀬ヒロのインスタグラムはこちらを検索→ hironaruse.corsage <<< 成瀬ヒロのおしゃれのススメ vol.10 ■■ P R O F I L E ■■ ファッションキュレーター・日本で唯一コサージュスタイリングの専門家成瀬 ヒロ(なるせ ひろ) フラワーアレンジメントの技術を応用し、「身に着ける人の魅力を引き出す魔法のアイテム」をコンセプトに、2012年、自身のブランド「SPICE 」を立ち上げる。他にはないシックでビターなデザインと色合わせ、さらに型崩れしにくい実用性の高さが感性の鋭い女性たちの目に留まり人気に。現在はファッションスタイリングセミナーを開催、俳優とのコラボブランドやアーテイストの舞台衣装をプロデュース等、活躍の幅を拡げている。 更新日:2020年11月4日(水)

● VOL.11 ● 鶏団子と大根のお味噌汁 暦の上ではもう冬の始まり、寒くなってきましたね。今回は寒い日に食べたい、温かい汁物です。まずはお出汁に大根を入れて火にかけます。ことこと、ことこと。じっくり熱を伝えます。大根が柔らかくなったら、鶏団子を鍋へ。ふんわり鶏団子のお味噌汁、大根に旨味が染みてとてもおいしくなります。これから美味しくなる小松菜もたっぷり入れて召し上がってください。鶏の旨味と味噌が合わさる優しい味で、心もほっこり。温かい汁物で体を中から温め、風邪に負けないように免疫力を高めていきましょう。 【材料】(4人分、鶏団子12個くらい)☆鶏ひき肉.......................................200g☆卵................................................1個 ☆塩................................................2つまみ ☆味噌.............................................小さじ1☆酒................................................小さじ1 ☆片栗粉..........................................小さじ1 ☆しょうが.......................................みじん切り(1かけ分) ☆長ネギ..........................................みじん切り 10cmくらい 大根.............................................4cm 小松菜..........................................2〜3株 出汁.............................................600cc 味噌.............................................小さじ4 ■ 作り方 ■ 1. 大根の皮をむき、厚さ7mmくらいのいちょう切りにする。小松菜を3cmに切る。 しょうが、長ネギをみじん切りにする。 2. 大鍋に出汁と大根を入れて火にかけ、5分煮る。 3. 肉種を作る。ボウルに鶏ひき肉から、長ネギのみじん切りまで(☆マーク)の材料を全て入れ、よく混ぜる。 4. 大根が柔らかくなったのを確認し、肉種をスプーン2本で形を整えながら、出汁の中にそっと入れる。すべて入ったら、中火で5分くらい煮る。 5. 味噌を溶き入れ、小松菜を加えて火を通す。 6. 味見をし、味を整える 7. お椀に盛り、お好みで七味唐辛子、黒胡椒などをかけていただく。 <<< ● VOL.10 ● 豚肉の塩麹焼き 蒸しなす添え ■■ P R O F I L E ■■ 自宅料理教室「チアフルキッチン」主宰にんべん だしアンバサダー柏木京子(かしわぎ きょうこ) 出産時に生死の境をさまよった経験から「食の大切さ」を実感、自宅などで料理教室を始める。夫がアメリカ西海岸に転勤になった2011年からSkypeによるオンライン料理教室を開始。帰国後は「いまさら聞けない料理の基礎」など主婦の悩みに応えるテーマのレッスンを次々企画、人気を博す。オンライン教室はのべ1,000人以上が参加。自宅での料理教室もリピーターが多い。 更新日:2020年11月4日(水)